
ご挨拶

日本空手協会 埼玉県本部長
西村 和宏
今、「武道」を問う
『武道とは、生死を決する緊張感をもって自らの武士道精神を探究し、実践のための武術を練磨して行く生き方を言う』(明治神宮至誠館 名誉館長 稲葉 稔)
現代の日本で、武道を学ぶ目的とは何でしょうか?
もとより、「武道」が精神性を尊ぶことに異論をとなえるものではありませんが、しかし今、敢えて問うならば、
現代において武道を学ぶ意義とは・・・・・・。
小学校の教育現場で新たに「命を守る」教育が実施されることになりました。これは東日本大震災や原発事故、異常気象の増加をうけ、首都直下地震や、南海トラフト巨大地震が現実味を帯びる中、災害に直面した子供たちが「持てる知識をフルに活用し、自ら判断しながら行動し、自分で身を守る方法を考える」。さらに「様々な角度から防災意識を高め、生きる力を身につけさせる」ところにその目的があるといいます。
公益社団法人日本空手協会は「品格ある青少年の健全育成」をその指導理念とし(公社)日本空手協会の空手の特色を
1、神速
2、一撃必殺
3、完全防御
と定義。さらにその意味するところは
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神速=技の速さ
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一撃必殺=技の強さ
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完全防御=敵の攻撃から身を守り、今を生き抜く
という点にあります。
ここで、現代の青少年をとりまく環境をみる時、多くの危機に直面していることがわかります。
街中での理不尽な暴力、いじめ、セクハラ、交通事故、建物の倒壊、自然災害、政治・経済・社会的問題
このようなあらゆる危機から身を守り、今を生き延び、志へ向けて生き抜く精神力と判断力を養う。
現代において武道を学ぶ意義はここに存在し、(公社)日本空手協会の空手は正にこの問いかけにこたえるだけの理論と技術を有する国内外唯一の武道空手であります。
(公社)日本空手協会埼玉県本部は45団体4千5百人の会員の皆様と共に、今こそ武道の原点にたちかえり、我々をとりまくあらゆる危機を回避し、志へむけて生き抜く力を日々の稽古を通して培って参りたいと思います。